だというのに、聖女たちは有り難がるどころか文句を言い立ててばかりで、仕事は遅々として進まない。いやいや、姉一人消えたくらいでこんなことになるなんて、こいつらはどれだけポンコツなのだ。役立たずたちには本当にがっかりしている。

 だが、それも今日で終わりだ。終わらせる……このわたしが――。

「はぁい、無能な皆。大聖女様が出てきてあげたわよ? 感謝の言葉は?」

 久しぶりに見る治療室は、戦場の仮設医院のような有様で、正に地獄絵図。

 全員がわたしを無視する。
 まあ、このくらいは想定内よね。

 どうせ皆、自分の手際が悪いのを棚に上げ、楽してるように見えるわたしに嫉妬してるだけ。とっとと事態さえ解決すれば、こんな不満簡単に治められる。

 数時間後には全ての治療が終了し、足元に跪いている聖女たちの姿がわたしの頭に浮かぶ。