殿下はそう言うと、私の手を手繰り寄せるようにして、自分の腕に添えさせた。

「またいつか、一緒に遊びに来よう」
「……はい!」

 こちらを向いた殿下は、まるで子どもの様に無邪気で飾らない笑顔を浮かべていて……。

 それは、これまで見たどんな表情よりも、素敵に見えたのだ。