「明日からちょくちょくお世話になりますね、ローエンさん!」
「ええ、いつでもおいでになって下さい!」

 結局ローエンさんは、小屋の窓際に取りつけた日当たりのよさそうな棚の上に鉢植えを置くことに決めたようだ。たった今発芽したばかりの双葉を鼻歌交じりで嬉しそうに写生している。

 その熱心な姿に、私はセーウェルトに戻る前に出来る限り大きく育った陽炎草を見せてあげたいと思った。私も私でまた、この国に来られたこと……それから彼らに出会えたことをとても感謝しているのだ。