「お気を付けて! またいつでも来てくださいね!」
すると彼女たちは大きく手を振ってくれた。
彼女たちには妹が沢山迷惑を掛けるのだろうし、申し訳ない気持ちで一杯だ。
でも……それでも、あの妹の下でこき使われるのだけは御免だから。
「皆、元気でね――!」
別れの挨拶を背中に受けながら手を振り返すと、私は聖堂に続く大階段をゆっくりと降りていった。
◇
アズリット伯爵家は、聖女を輩出していることもあって、それなりの名家である。
特に今代は私が王太子へ嫁ぐにあたり、大きな支度金を頂いているはず。加えて勝手に婚約を破棄し、結び直そうというのだから、それなりの賠償金も受け取っている。
すると彼女たちは大きく手を振ってくれた。
彼女たちには妹が沢山迷惑を掛けるのだろうし、申し訳ない気持ちで一杯だ。
でも……それでも、あの妹の下でこき使われるのだけは御免だから。
「皆、元気でね――!」
別れの挨拶を背中に受けながら手を振り返すと、私は聖堂に続く大階段をゆっくりと降りていった。
◇
アズリット伯爵家は、聖女を輩出していることもあって、それなりの名家である。
特に今代は私が王太子へ嫁ぐにあたり、大きな支度金を頂いているはず。加えて勝手に婚約を破棄し、結び直そうというのだから、それなりの賠償金も受け取っている。



