まず間違いなく、先日と同じ症状だ。
 しかしこんなに早く症状が再発するなんて……。

「げほ、げほっ……」

 ひどく咳き込む王女。時間が経っているが体は正直だ。異物を体内に出そうとしているのだと察し、私は王女の喉に指を突っ込み、吐かせる。

 こぽこぽと胃の中のものが吐き出された後口をゆすがせ、背中に当てた手から聖女の力を注ぐ。

 ――しばらくすると少しずつ顔色が改善し、呼吸が安らかになってくる。

「はぁ、はぁ……。エ、エルシアぁ、苦しかったよぉ……!」
「もう大丈夫です」
 
 正常な状態を取り戻した彼女を抱え上げ、あやしながら私ははっきりした確信を得ていた。
 この反応には覚えがある。おそらく……この病気の正体は、食事に含まれた何らかの成分による拒絶反応だ――。