なぜか、溺愛される1日を繰り返しています。

でもその声は震えてしまって変になった。
それを母親が見逃してくれるはずもない。

勝手に部屋に入り込んできた母親はベッドの端に腰をおろした。


「達也くんと喧嘩でもした?」


手を握られてそう質問されると、我慢していた涙がまた溢れてくる。
25にもなって泣くなんて情けないと思いながらも止められない。


「プロポーズされた。でも、断ってきた」


由佳の言葉にさすがに驚いた様子で目を丸くしている。
由佳と達也の関係が続いていけば、当然結婚するものと思っていたのに、予想外だったんだろう。

由佳だって、達也からのプロポーズを断るなんて考えてもいないことだった。


「達也くんとは結婚したくない?」


その質問に左右に首をふる。
涙がポロポロとこぼれ落ちていく。