《今日》の私は一体どうしたんだろう。
トイレの鏡の前で真っ赤になった自分の顔を見つめて舞は自問自答する。

両手で頬を包み込むと本当に燃えているかのように熱い。
あんなに聡のことを意識してしまったのは初めての経験だった。

ただ呼び止められてお礼を言われただけ。
告白されたわけでも、手を握られたわけでもないのに。


「なにしてんの。しっかりしなきゃ!」


鏡の中の自分へ叱責して、舞は気持ちを切り替えたのだった。