目が覚めるとやはり7月1日の日曜日だった。
由佳は朝から憂鬱な気分で身支度を整える。


「ちょっと由佳冴えない顔してどうしたの?」


リビングへおりていくと母親が心配そうな顔で声をかけてきた。
パッと見でわかるほどにひどい顔をしているみたいだ。


「ちょっと寝不足なだけ」

「今日は達也くんとのデートでしょ? そんな顔で行ったら驚かれるわよ?」


母親は同じ会社で働いている達也のことをいたく気に入っている。
バリバリに仕事ができるわけではないけれど、真面目で優しい笑顔を浮かべるところがお気に入りらしい。

由佳の父親の方はあまりそういう方面には口出ししない。
娘の彼氏という微妙な立場の達也とどう接していいのか、未だに悩んでいる様子がある。
それが今度は娘婿になるのだ。