なぜか、溺愛される1日を繰り返しています。

そうやって始まった手紙は随所に歯の浮くような言葉が書かれている。


《彩ちゃんと生きていきたい》《彩ちゃんがいればすべてがうまくいく気がする》


そんな、普段は知明がいいそうにない言葉まで。
最初はくすぐったい気持ちが強かったけれど、読んでいくうちに知明の気持ちが深く深く入り込んでくる。

どれだけ自分のことを思ってくれているか、どれだけ大切にしてもらえているか、今まで感じることのできなかった部分までが文字として綴られている。

気がつけば彩は両目に涙をいっぱいにためていた。
こんなに素敵な手紙をもらったのは初めての経験だった。

どんなプレゼントよりも嬉しい。


「俺、彩ちゃんにどうしても色々伝えたくて、でもあまり賢くないから言葉を知らなくて」

「だから、チカゲに手伝ってもらった?」


彩の言葉に知明は頷いた。
確かに、文学部に所属しているチカゲなら沢山の言葉を知っていそうだ。