なぜか、溺愛される1日を繰り返しています。

思わず頬が緩む。


「これはちゃんと俺が選んだやつなんだ」


彩が喜んでくれたおかげでようやく知明は微笑んだ。
1度目のときも2度めのときもこれを出すタイミングがなかったんだろうか。

そう考えて知明がディナーの予約をしてくれていたことを思い出した。


「もしかして、今日のディナーのときにくれる予定にしてた?」

「うん。でも、いいんだ。渡せてよかった」


ホッとしたように微笑む。
簡易的な袋に入っていたし、きっとそれほど高価なものじゃない。

けれど知明はちゃんとした場面で渡そうと考えていたみたいだ。


「これを買うためにチカゲと2人で会ってたとか?」


ふと思いついたことをそのまま聞いてみたけれど、知明は左右に首を振った。


「いや、それは俺がひとりで選んだんだよ。彩ちゃんに似合うと思って」


それは嬉しかったけれど、それならどうしてチカゲとふたりきりで親密そうにしてたのかの謎が残る。