少しだけ眠ってしまっていたようだ。
玄関チャイムがなる音で彩は目を覚ました。

上半身を起こすと背中が痛くて、床で眠ってしまったことを悔やんだ。
朝から洗顔すらしていないし着替えもしていない。

そんな状態であることを思い出して居留守を使おうかと一瞬考える。
けれど玄関チャイムはいつまで経っても鳴り続けている。

さすがにおかしいと思ってようやく自分の部屋から出た。
短い廊下の先にある階段をおりてすぐのところに玄関がある。

すりガラスドアの向こうに人影があった。
誰だろう?

しつこい勧誘とかだったらどうしようと不安になったところで、手に持っていたスマホが震えた。