《知明:今日のデート楽しみだね! 一足先に、20歳のお誕生日おめでとう!》

「は?」


昨日のメッセージを開いてしまったのかと思ったが、これが一番最新のメッセージで間違いなさそうだ。
日付は6月12日。

30分前と表示されている。
彩は自分が寝ぼけているのだと思って何度も目をこすった。

それでもその表示は変わらない。


「6月12日?」


声に出して確認する。
それは間違いなく昨日の日付で、自分の誕生日だった。

昨日のデートは知明と喧嘩別れになってしまって、最悪の気分で目が覚めたはずだ。
ここまで鮮明に覚えているのだから夢のはずはない。

彩は首をかしげつつ、自室に備え付けてある小型のテレビの電源を入れた。
元気な女性キャスターが「今日は6月12日、東京は晴れるでしょう」と、天気を教えている。


「6月12日!?」


そこでハッキリ目が覚めた。