「え……?」


怒りながら大股で歩いていたはずの彩は気がつけば自分の部屋のベッドの上だった。
見慣れたッ白い天井に首をかしげる。

私、デート中なんじゃなかったっけ?
記憶を巡らせてみると一方的に知明を攻めたデートを思い出してしまって気分が沈み込んでしまう。

帰宅途中までしか記憶がないけれど、あれからどうやって家に戻ったんだっけ?
首をかしげながらも、無事に家についたのだからいいかという気持ちになる。

だけど結局知明に話を聞くことはできなかった。
デート中に、少しでもあれはどういうことだったのか聞くことができればよかったのだけれど。

きっと知明も不安がって沢山メッセージを送ってきているに違いない。
そう思って枕元のスマホに手をのばす。
そこに表示されている日付に気がつくことなく、メッセージを開いた。