聡が慌ててそれを握る。


「こんな私ですが、これからよろしくお願いします」


うやうやしく頭を下げる舞に、聡も同じように頭をさげた。


「こ、こちらこそ!」


ふたりとも緊張して少しぎこちないけれど、笑い合う。
そして、ふたり手をつないで高架下をくぐりぬけて、本物の《明日》へと踏み出したのだった。


END