「え……嘘、本当に!?」


真っ赤に照れた聡がおろおろと視線を泳がせる。
その様子がおかしくて舞は思わず吹き出した。


「本当です」

「でも、え、待って。絶対に無理だと思ってた」

「どうしてそう思ってたんですか?」

「だって長谷川さん、俺のことなんて全然眼中になさそうだったし」


そう言って頭をかく。
その通りだったので、舞は否定しなかった。


「それでも告白してくれたのは、どうしてですか?」

「だって、君への気持ちが我慢できなくて」


断られるとわかっていて告白するのは通常以上に勇気がいったことだろう。
それでも聡は舞に伝えてくれた。

何度も何度も、当たって砕けてくれた。
舞は聡に右手を差し出した。