「やっぱりからかわれてるだけかな」
なんて、つい弱音が口からこぼれ出る。
いや!漣柚音!今こそ気合いを入れて善くんに好きって言ってもらえるようになのだ!
ただのお気に入りから好きな人にランクアップするにはこれしかない!
そう思いながらわたしなりに善くんの好みの女性をまとめて書いた手帳をカバンの中にしまう。
「やば!もうこんな時間だ!」
スマホで時間を確認すると電車の時間が迫っていた。
やばいやばい。急がなきゃ!
急いで部屋を出て、駅まで向かう。
「あ!ゆのたん!」
「希織ちゃん!お待たせ!」
「ううん!今日はいつもの雰囲気と違って大人っぽいね」
「あ、わかる?」
やっぱり、わかるかな?
まあ、自分でも違うって感じるくらいだから他の人は余計にそう感じるか。
「わかるよ!漆葉くんの好みに寄せたんでしょ!」
ニヤニヤと頬を緩ませながら言ってくる希織ちゃん。



