《柚音side》
「へ、変じゃないかな……」
鏡の前でおかしいところがないかクルリと回って、全身をチェックする。
土曜日になるまで善くんとは数回、お昼休みを一緒に過ごしていた。
特に何か大きなことが起こるわけでもなく、いつも通り最後に善くんがお昼寝をしてそれからはお互いの日々を過ごして、見学当日の朝を迎えた。
もちろん、善くんと満くんはわたしと希織ちゃんが来ることを知っている。
それを知った善くんは『私服の柚音ちゃんを楽しみに頑張ろっと』とか言っていたからわたしは善くんのタイプに近づくために買った雑誌をわたしは隅々まで読んで、何度も読み返した。