《柚音side》


「希織ちゃん、ごめん!今日は……」

「わかってるよ。いってらっしゃい」


目の前でわたしに手を振って送り出してくれる彼女はまるで女神様みたいに思えてくる。

善くんのお昼寝に付き合うことになって今日で3回目。

なぜ入学から2週間も経っているのにまだ3回目かというとあれから善くんは仕事があり、しばらく学校に来ていなかったみたい。


彼が学校に来ない日やお昼前に帰る時は希織ちゃんと一緒にご飯を食べていた。

わたしの都合で一緒に食べれない日もあるのに、何をいうわけでもなく善くんが休みの日には一緒にお昼休みを過ごしてくれる希織ちゃんには感謝でいっぱいだ。


もうちょっとしたら希織ちゃんにもちゃんと善くんのこと話さないとな……。


さすがに全部は言えないし、善くんには秘密って言われてるけど、一緒に過ごしているくらいは伝えても大丈夫かなあ。