固まっているわたしを放っておいて、色っぽく微笑むとスタスタと音楽室から出ていった。


えっと……今のは現実?夢?

遺伝子レベルで相性がいい?

わたしと善くんが?


そんなことを考えながら舐められた首にそっと手を当てる。



まだ消えていない善くんの甘い香りや感触がわたしの鼓動をさらに早めさせる。

し、刺激が強すぎる……。
ドラマとかでもあんな展開みたことない。

きっと今のわたしはまた顔が真っ赤なんだろうな。


また、明日も会えるかな……?
なんて考えて少し楽しみにしてしまっているわたしはすっかり善くんに心を奪われてしまっている。


「善くんのバーカ」


本人がいないのをいいことに呟いた言葉は誰もいない静かな音楽室に消えていった。