あ、起きてくれるかもしれない!
「あの!起きてください!」
「……む、りぃ……」
男の子の口は動いているけど、瞼が開く様子はまるでない。
無理って言われても困るんですけど。
「せ、せめて部屋に移動しましょ?」
男の子の腕を引っ張ると、「だる……」という言葉を吐きながら男の子はゆっくりと立ち上がった。
待って……身長高すぎない?
わたしの頭が男の子の胸元にあるんですけど。
わたしってば、よくもそんな高身長の人を一人で運ぼうとしたね。
部屋に男の子を入れるなんて初めての体験すぎるし、なんか緊張するけど相手は寝ているし、きっと大丈夫。
ベッドで寝かせてあげた方がいいよね?
わたしはソファで寝ようかな。
明日も休みだし、彼が帰った後でもう一回寝ればいいし。



