パーフェクトな君の弱点。



その顔面でその言葉は破壊力がまるで違うって何回言えばわかるんだろうか。

いや、本人には言ってないんだけど。


「ぜ、善くんとわたしは恋愛経験値が違うの……!」

「ふーん。柚音ちゃんって今好きな人いんの?」


未だにわたしの髪の毛をくるくるして遊んでいる善くん。

なんか幼いのか大人びているのかよく分からない人だ。


「……いないよ」


チラッと頭に浮かんだ彼をすぐに消し去った。
会っても覚えてないだろうし、いつまでも初恋を引きずったままの女の子なんて気持ち悪がられるかもしれない。


「じゃあ、俺のこと好きになっちゃえば?」


その言葉と共にいつの間にか彼の手がわたしの後頭部に移動していて、ぐっと頭を抑え、善くんも床に肘をついて先程より少し起き上がったから唇が触れてしまいそうなほど至近距離になる。