パーフェクトな君の弱点。



「柚音ちゃんじゃないとダメ」


下からそっと手を伸ばしてわたしの髪の毛を掬いあげてくるり、と自分の人差し指に巻いて遊ぶ。

ただ、それだけのことなのにわたしの鼓動はキュンと甘く高鳴り、心の中がどうしようもないくらいピンクの感情に染まる。


相手は国民的アイドル……相手は国民的アイドル……。


心の中のピンク色を消し去ろうと呪文のようにそう唱える。


「じゃあ、いいよ」


そういうと、善くんはパァッと花が咲いたように嬉しそうに笑った。

その笑顔が見られるならなんでもいいやと思ってしまうわたしはかなり彼に心を掴まれている気がする。


「俺と一緒に寝る?」

「……なんかその言い方ちょっとやだ」

「なんで?」

「……変態チックに聞こえるから」

「いいじゃん。エロくても」


普通に寝るだけなんだから、とか言ってるけどそういう問題じゃなくて。