「まあ、仕方ねえよ。芸能界じゃよくあることだし。この前みたいに疲労が限界に来た時だけ死んだように寝れるし」
彼は本当に仕方ないことだと諦めているのかおどけたように笑って言った。
し、死んだようにって……。
本当にそれで死んじゃったらどうするの?
「でもそれじゃあ、いつか善くん倒れちゃうよ」
この前はたまたまわたしの家だったからよかったけど、道路の道端だったら?
寒い冬の日に人通りの少ないところで疲労で眠ってしまったら?
そんなの、ダメだよ。
「んー、じゃあさっき言ったみたいに俺の昼寝に付き合って。そしたら一応ちゃんと寝れるからさ」
「わ、わたしなんかで本当にいいの……?」
いくら膝枕が恥ずかしくてもわたしなんかで役に立つならそれでいいかと思えてくるから善くんに弱いのかもしれない。



