パーフェクトな君の弱点。



善くんって一回寝たら起きないタイプなのかもしれない。

この前も全然起きてくれなかったし。


「善くん、遅刻しちゃうよ」

「……いいよ」

「ダメ。善くん単位制だし、忙しいから出席できる日に出席しとかないと大変だよ」


単位とるために、仕事の合間を縫って頑張って体調でも崩したら元も子もないじゃん。
善くんには待ってるファンのみんながいるんだから。


「……柚音ちゃんって真面目」


そう言いながらゆっくりと瞼を上げて、眠たそうな目でわたしを見る。


「善くんが不真面目なだけだよ」

「学校来てるだけで褒めてくんない?」

「まあ、確かに忙しいもんね」

「ちゃんと来れる日、連絡するから」


ふあ〜と呑気にあくびをしながらまだわたしの膝の上に頭を乗せて寝転がっている。


「でも……」

「俺の昼寝に付き合って」

「え、昼寝?」


昼寝ってさっきまでしてた膝枕をしながらってやつですか……?

それはわたしの心臓が持たないので遠慮させていただきたいのですが……。