パーフェクトな君の弱点。



「こんなところに寝転んだら汚れるよ?」

「んー、ここほとんど使われてないしちゃんと掃除もされてるから綺麗なんだよ」

「そうなの?」


確かに机もホワイトボードもピアノも全部、綺麗なままだ。
この教壇もちゃんと見てみたら全然汚れていない。

やっぱり普段は使われてないのかも。


「うん。ちょっと寝るからおやすみ」

「ええ!?」


わたしの言葉を無視してゆっくりと瞼を閉じて本当に寝てしまった。

ひ、膝枕なんて聞いてないよ……。


なんて思いながら彼の顔をよくよく見ると、目の下には隈がある。
きっとたくさん頑張って疲れているんだろうなあ。


頑張りすぎはよくないんだよ。
わたしなんかには到底わかるはずのない苦悩が芸能界にはたくさんあるんだろう。


そんなことを考えていると無意識に漆葉くん綺麗に染められたホワイトミルクティーの髪の毛を撫でてしまっていた。


あっ……わたしってばなにやってんの!