パーフェクトな君の弱点。



「そっか。確かに柚音ちゃんみたいで可愛いな」


わたしのスマホケースのクマの耳をすりすりと触りながら言う。

わたしみたいっていうのは余計だけど……。


「今度、このクマのキーホルダーあげるよ」


そんなにこのクマが可愛いって言ってくれるならあげようではないか。
わたしとお揃いになるけど家の鍵に付けるキーホルダーが家にもう一個あったはず。


「え?」


わたしの言葉にきょとんとしている漆葉くん。


「あ、いらないよね。ごめん忘れて」


でしゃばってしまった。
そりゃあ、男の子だもん。

こんな可愛いクマのキーホルダーなんていらないよね。


「ううん。欲しい」


わたしの手を掴んで食い気味に言ってきた漆葉くんの言葉にわたは少し圧倒されながらコクコクと頷いた。
それから、お互い連絡先を交換してわたしの友達に【善】という名前が追加された。