パーフェクトな君の弱点。



え、なに……?


「柚音ちゃんってそのクマ好きなの?」

「え?あ、これ?好きだよ!どうして?」


彼が見ていたのはわたしのスマホのケースだった。

淡いピンクをベースにクマの顔がデザインされていて、丸い耳までついてる可愛いケースで即買いした。


「いや、家にもそんなのいたなって思って」


覚えてたんだ……。
あんな一瞬しか家にいなかったのに。


「あのクマさん、一人暮らしするのに寂しいって言ったらお母さんとお父さんが入学祝いで帰ってくれたんだ」


ずっと欲しくて、でもサイズも大きくて高かったから買えずにいたらお母さんとお父さんが『このクマさんがいたら寂しくないでしょ?まあ、お守りみたいなものね』なんて言いながらプレゼントしてくれて、そこからわたしの部屋の一員になったのだ。


それから何かあるたびにあのクマさんに抱き着いて顔を埋めるのが習慣になってしまっている。