パーフェクトな君の弱点。



「今度ちょーだい」

「仕方ないなあ」

「楽しみにしてる」


あどけない笑顔を浮かべている漆葉くんはわたしがテレビで観る彼とはまるで違う。

こっちが本物の漆葉くんなんだろうなあ。


「柚音ちゃん」

「なあに?」

「連絡先教えて」


名前を呼ばれて彼を見るととんでもない発言をしてきたので思わずパンにかぶりついたまま固まってしまった。

連絡先教えて……?
えっと……正気ですか?


「マジで言ってます……?」

「冗談でこんなの言わねえんだけど」

「そうですよね」


彼はポケットから自分のスマホを取り出してスイスイと操作している。

これはわたしもスマホ出さないといけないパターンだよね?
渋々、ポケットに入っているスマホを取り出すと、彼はなぜかわたしのスマホをじっと見た。