「ううん、偉いなと思って」
「……ありがとう。漆葉くんのお昼ご飯は?」
きょろきょろと周りを見渡してもお昼ご飯になるようなものは何も見当たらない。
「んー、俺いま雑誌撮影あるから絞ってんの」
え!?今でも十分細いのにこれ以上痩せる気!?
いつか骨がポキッと折れちゃうよ。
「だ、ダメだよ!ちゃんと食べないと!これ食べな!」
そう言ってわたしのお弁当を差し出した。
「いや、柚音ちゃんの無くなるよ」
「わ、わたしおやつのパン持ってるし」
朝ごはんが食べれなかった時とか賞味期限が近いパンとかを持ってくるようにしてた中学の癖が抜けなくて今日も持ってきてしまったのだ。
「ぷっ……おやつにパン持ってくる高校生いる?」
「笑わないでよ」
ぷー、と口を膨らませてクスクスと肩を揺らして笑っている漆葉くんを睨む。



