パーフェクトな君の弱点。



な、なに……!?

突然のことに驚いていると、「ねえ、今ここらへんにZENくんがいなかった?」「え?ZEN?いないよ。見間違いじゃない?ていうか、ここらへん立ち入り禁止って書いてたから早く戻ろ!」外から女の子たちのそんな声が聞こえてきた。

でも、わたしはそれどころじゃなかった。


漆葉くんに口を塞がれながら後ろから抱きしめられているこの状況に心臓が口から出てきそう。

漆葉くんの甘い香水の匂いが鼻をかすめ、規則のいい鼓動の音が聞こえてくる。


「見つかるかと思っ……」

「っ、」


漆葉くんの手がわたしの口から離れ、後ろからぐいっと覗き込まれた。


「柚音ちゃん、顔真っ赤」


くすり、と笑う漆葉くんにわたしはスカートの裾をぎゅっと握りしめる。

漆葉くんみたいな人にこんな近くにいられたらドキドキしても仕方ないよ。