《柚音side》
翌日。
あれから何回考えてもなんでわたしが漆葉くんのお気に入りになってしまのかは全くわからなかった。
そのせいで授業だって全然集中できなくてあっという間に約束のお昼休みがきてしまった。
「ねえ!ゆのたん!一緒にお昼ご飯食べようよ!」
「あっ、ごめん。今日はちょっと先約がありまして……」
うわーん、わたしも希織ちゃんと食べたかったよ〜!
それなのに漆葉くんと約束なんてしちゃったから食べれないじゃん。
いや、来ないとは言ったんだけど漆葉くんのことだから行かなかったらあとが怖い。
忙しいならわたしになんて構わないでいいのに。
「そっかぁ〜、また今度食べようね」
「うん!ごめんね。じゃあ、いってきます!」
「いってらっしゃい!」
優しい希織ちゃんに見送られながらわたしは教室を出て、音楽室へ向かう。