パーフェクトな君の弱点。



「てことで、これからよろしくね。お隣さん」


にこやかな笑顔でそう言うと、ガチャっと鍵を開けて隣の部屋へと入っていった。


ん……?お隣さん……?

もしかしてずっと忙しそうにしてたわたしの家のお隣さんって……漆葉くんのことだったの!?


確かに部屋が隣だったら、わたしの部屋と自分の部屋を間違えて寝ちゃってたのもわかる気がする。

いや、普通じゃありえないし、アイドルとしてあまりにも危なすぎるんだけど、今をときめくトップアイドルのことだからきっと仕事も忙しいんだろうし、疲れていたんだろうなあ。

でも……こんな平凡なマンションに住んでてお隣さんがトップアイドルだったなんてことある!?


「あー!もうどうしよう!」


家の中に入って、真っ先にお気に入りの大きなクマのぬいぐるみにダイブして叫んだ。