パーフェクトな君の弱点。



「なあ、柚音ちゃん。お願い聞いて」


「な、なあに……?」


お願いってなんだろう。

怖いのじゃないといいな……。
脅されるとかも勘弁してほしい。

ドキドキしちゃったのはわたしだけどさ。


「明日から俺が学校に来た日はここでお昼ご飯一緒に食べよ」


「え……?お昼ご飯?」


少し身構えていた力がふっと抜けた。

なんだ、お昼ご飯を一緒に食べるだけか。


「そ。なに?もっとやらしいこと期待した?」


わたしの態度に、またも彼の口角が斜めに上がる。

離れたくても腰に手を回されていて動けない。


「ち、違うし!!」


「3回、柚音ちゃんがここに来てくれたら考えといてやる」


「そんなの来ないよ」


何回も言うけどこんなのバレたらおしまいなんだって!


「生意気な口は塞いじゃうよ」


「や、やだ……っ!」


今の漆葉くんなら本当にしそうだからわたしは慌てて自分の口元を手で隠した。