わたしの髪の毛を自分の指にくるりと絡ませて遊んでいる善くんが下からわたしをじっと見つめて、ニヤリと悪戯っぽく笑った。
「それはこっちのセリフだよ!」
「つーか、上埜先輩はよかったの?毎日楽しそうに過ごしてたけど」
先程の態度とは打って変わって、少し拗ねたようにぴゅっと口を尖らせている。
「な、なんでそれを……!?」
わたしは善くんと会っていないのになんでわたしがカズくんとお昼休みを過ごしていたことを知っているの!?
「ここから偶然見かけた。それ見てもう柚音ちゃんは俺の隣にいないんだなって思ったら寂しくて死にそうになった」
そんなことを思ってくれていたんだ。
本当に善くんには悪い事しちゃったなあ。
「カズくんにはちゃんと付き合えないって伝えてきた。わたしが好きだって思うのは善くんだけだから」
にっこりと目を細めて、善くんの両頬をむにっと掴む。



