パーフェクトな君の弱点。



「善くん……!」


わたしが名前を呼ぶと、ピアノの音が止まって彼がパッと弾けたように視線を上げた。


「ゆ、のんちゃん……?」


動揺したように瞳を揺らしながらわたしの名前を呼んだ。

久しぶりに会った善くんは目の下に隈ができていて、以前より少し痩せたような気がして心配になる。

ちゃんと眠れているのかな……?


そして、あの日話を聞かずに別れ話をしたことを謝ろうと一歩ずつ彼の方に近づいていく。

そして、ピアノの椅子に座っている彼の前まで来て小さく息を吸い込んで、ゆっくりと口を開いた。


「善くん、あの……」


傷つけてごめん、という前に椅子から立ち上がった善くんにぎゅっと抱きしめられた。


「傷つけて、泣かせてごめん」


それはこっちのセリフだよ、と言いたいけど抱きしめられた動揺で言葉にできない。


「……」

「正直、もう嫌われたかと思ってたから、柚音ちゃんともう会えないかと思ってた」