パーフェクトな君の弱点。



「これ、耳に付けて」

「あ、うん」


言われるがままにイヤホンを両耳につけると、彼女がスマホで音楽アプリの再生ボタンを押したのか耳に優しく柔らかいピアノのメロディが流れ込んできた。

イントロが終わり、善くんの甘い歌声が聴こえてきてそっと目を閉じて歌に集中する。

歌詞がまるで自分のことを言われているみたいに思えてきて、ドクンドクンと鼓動が高鳴っていく。


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照れた顔も、笑った顔も、怒った顔ですら
ただ、愛おしくて
僕の世界に溢れる君への想いが
零れ落ちないように
全部を花束にして
世界で一番大切な君に愛を贈ろう
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