しゅん、としていた視線も下にさがっている。
なんだ、そんなことかあ。
「それは本当のことだし、仕方ないよ」
沙綾ちゃんだけじゃなくて、みんなが思うことだろうし別にそんなことで謝ってくれなくていいのに。
「でも……」
「そんなに気にしないで！沙綾ちゃんの方が可愛いし、善くんだってメロメロになっちゃうよ」
なんて、自分で言っていてなんか泣きたくなってきた。
善くんが他の女の子に甘い言葉を囁いていることも、抱きしめて、キスしていることも考えたくなんてないのに。
「……あたし、善に振られたの」
「え？」
沙綾ちゃんが善くんに振られた？
じゃあ、なんで二人は抱きしめ合っていたの？
頭が混乱してきてプチパニックを起こしている。
「あの写真を撮られた日、善に抱き着いて告白したの。でも、大切にしたい人がいるからって振られた」
