パーフェクトな君の弱点。



本当に、本当にありがとう。

わたしの初恋がカズくんでよかったよ。


小さくなっていく背中を見つめながら言えなかった彼への想いを心の中で呟く。

さて、わたしもそろそろ戻ろうかな。


「漣さん!」


後ろから聞き覚えのある声がして後ろを振り向くと、そこには息を切らしてこちらを見ている沙綾ちゃんがいた。


え、なんで沙綾ちゃんがこんなところに……?

善くんとお付き合いを始めたことを知らせに来たとか?

突然のことに動揺しすぎて、何も言葉を返せずにいたら


「ごめんなさい!」


と、勢いよく頭を下げられた。


「……え?」


なに、この状況。

なんでわたしは沙綾ちゃんに謝られているんだろうか。

一体、何に対しての謝罪なんだろう……?


「わたしのせいでたくさん傷つけてごめんなさい」

「えと……ちょっとイマイチ状況が読めないんですけど。とりあえず、頭上げてください」