パーフェクトな君の弱点。



「ごめん!ゆのたん!さっき先生に頼まれごとされちゃって先に一人で教室戻ってて!」


入学式が終わり、教室まで帰ろうと希織ちゃんのところに向かうと彼女は両手を合わせて申し訳なさそうにそう言った。


「全然大丈夫!頑張ってね!」


グッと親指を立てて、彼女に笑顔を向ける。


「ありがとう!」


それから彼女と別れて、一人でトボトボと教室までの道のりを歩く。

希織ちゃん、しっかりしてるから先生からもう信頼されててすごいなあ。

ポンコツなわたしとは大違いだよ。

そんなことより、この学校って無駄に校舎が広いんだよね。
歩いても歩いても教室に辿り着ける気がしない。


ほんとにこの道で合ってるのかなあ。


不安になりながら歩いていると、突然ガラッと音がして、横の扉が開いたと思ったら、誰かに腕を掴まれ、そのままグイッと引っ張られて一瞬にしてわたしはどこかの部屋に連れ込まれ、抱きとめられた。