パーフェクトな君の弱点。



こんなに人がいる中で、すぐに見つけてしまうなんて俺も結構重症じゃん。

でも、すぐに見つけたことを後悔した。
だって、柚音ちゃんの隣にいたのは上埜和真だったから。

笑い合っている二人を見て、ぎゅっと胸が締め付けられて苦しくなる。


柚音ちゃんが幸せに笑ってくれているならそれでいいと思うのに、もう一度俺のことを選んでほしいと思ってしまっている。

全部、俺が悪いってわかっているのに。

もうこれ以上、二人を視界に映していたくなくて窓を閉めてカーテンを閉めた。


そして、グランドピアノの前に座って、鍵盤に触れる。

そっと目を閉じて肩の力を抜き、愛おしい彼女の姿を思い浮かべながら昨日リリースしたばかりのアルバムに入っている彼女へ想いが詰まった曲を弾く。