パーフェクトな君の弱点。



「……上埜先輩と付き合ったらどーすんの」

「嫌だけど。柚音ちゃんに嫌われただろうし、そうなっても仕方ねえかな」

「はあ、お前がそういうなら別にいいけどさ。曲にしちゃうくらい好きなんだったらちゃんと言えばいいのに」


満の言った曲というのは次のアルバムでお互いソロ曲を収録することになり、俺が作詞作曲した曲のことだ。

曲作りに煮詰まっていた時に浮かんできたのが柚音ちゃんのことで、息抜き程度に彼女への想いを詩に綴っていたら、めちゃくちゃ満足いく曲ができて満にデモテープを送ると大絶賛してくれたから結局その曲を収録することにした。


「……今となったらその曲を柚音ちゃんが聴くこともねえし」


柚音ちゃんは応援するとか言ってくれてたけど、正直俺の顔なんてもう見たくないだろうし。


「俺はいい曲だと思ったけどな」

「まあ、ありがと」


俺だって曲を作りながら、こんなにも柚音ちゃんのこと好きなんだなって思ったくらい愛情に満ちた曲になった。

でも、もう君の隣にいるのは俺じゃないから。