パーフェクトな君の弱点。



確かに俺は沙綾の夢をバカにしていたクラスメイトに『人の夢を笑うな』と言ったけど、


『違う、それはお前が頑張ってきたからだよ。お前が努力して必死に頑張ってきたから今があるんだろ。ほんとすごいと思う』


誰かにバカにされても、腐らずにここまで人気になった沙綾のことを純粋にすごいと思う。

すると、沙綾は一瞬大きな目を見開いて驚くと


『振る時までそんなこと言うの、ズルいよ……っ。でも、善らしいか。急にごめんね、スッキリした。ありがとう』


そう言って、吹っ切れたような笑顔を見せた。


『おう。これからもお互い頑張ろうな』

『だね。いつか善より素敵な人を見つけられるまでは仕事に集中だー!』


なんて、笑いあって俺たちはタクシーで各々の家へ帰った。