当然と言えば当然なんだけど、もしかしたら追いかけてまたわたしの手を掴んでくれるかもしれないなんて淡い期待は一瞬にして打ち砕かれた。
「善、くん……っ」
名前を呼んでも、もう前に愛しい彼の姿はない。
これでよかったんだ。
今まで、ずっと甘く幸せな夢を見ていたんだ。
明日からはまた現実に戻るだけ。
短期間でこんなに好きにさせるなんて、どこまでも善くんはズルい。
でも、ちゃんと気持ちを整理して“SiriusのZEN”くんのファンとして応援するから。
今日だけは、今日までは、漆葉善くんを想って泣いてても許してね。