パーフェクトな君の弱点。



「うん……今日はありがと。ちょっと元気出た!ドラマも観てるから!じゃあね!」


ベンチから立ち上がり、カズくんに手を振ると彼も優しく笑って振り返してくれた。

元気が出たのは事実だけど、人の優しさが今は身に染みてまた涙で視界が歪む。

希織ちゃんからも着信とメッセージがたくさん来ていた。

みんな、心配してくれてありがとう。


【大丈夫だよ。どこに行けばいい?】


さっき打ったまま送信できていなかった文章に新たに追加で打ち込み今度は送信ボタンを押した。

善くんがわたしに伝えてくれた気持ちを信じたいけど、今のわたしには善くんの気持ちがわからない。

週刊誌の記事を鵜呑みにしちゃいけないのもわかってるけど、なんですぐに否定してくれなかったの?

わたし、振られちゃうんだよね。
善くんに会うのもこれで最後になるのかなあ。

辛いけど、善くんには幸せになって欲しいし、わたしなんかよりも沙綾ちゃんのほうが支えになれることが多いもんね。

なんて、思っていると善くんから返信がかえってきたので指定された場所まで向かった。