パーフェクトな君の弱点。



それを心のどこかで残念に思っているわたしはもう漆葉くんのファンなのかもしれない。

だって、あの笑顔はズルい。

あんな顔で微笑まれたら誰だって簡単に落ちてしまうと思う。
チョロいわたしなんかは特に。

それから物知りな希織ちゃんに色々な話を聞いて体育館の用意された椅子に座った。


「わ!見て!芸能科の子たちだ」

「きゃー!かっこいい!」

「こんな近くでZENのこと見れるとか幸せだね」


一般科よりも後に入ってきた芸能科の生徒たちに黄色い声を上げる女の子たち。

その子たちの目はハートになっていて、本当に彼は人気者なんだなと実感した。
まあ、わたしもこの前ドキドキしたから人のことは言えないけど。


友達らしき人と話しながら少しダルそうに席まで歩いてくる漆葉くん。