パーフェクトな君の弱点。



「……食べたい!」


たぶん、わたしを元気づけようとしてくれてるんだろうな。

そう思いながら二人で中庭のベンチに腰をかけた。


「じゃーん」

「うわあ、ウサギだ!」


紙袋から出てきたのはウサギの耳と顔が書かれたマカロンだった。


「そう。可愛いだろ」

「うん!」


ちょっと食べるのが罪悪感だけど、美味しそう。

パクッと食べると口の中に甘いイチゴの味が広がっていく。


「美味しい!」

「笑ってくれてよかった。柚音は笑ってる方が泣いてるより可愛いよ」

「き、急にやめてよ。なんか照れくさい」


カズくんに可愛いとか言われる免疫はない。

いや、善くんに言われたって未だに照れてしまうのに。


「ほんとのことだよ。昔からずっと柚音は可愛いよ」

「……ありがとう」

「困らせてごめん。でも本気ってことはわかってほしくて」


そんなのここ数ヶ月、ずっとわたしに話しかけてくれてたことでわかってるし、カズくんが冗談でそんなことする人じゃないってわたしはわかってるよ。