パーフェクトな君の弱点。



あれから善くんから返信が返ってきたのは夜遅くで、わたしたちのすれ違い生活はますます悪化していた。

会えない日々が続き、メッセージも一日に一度返ってくればいい方でわたしの不安は増していく一方だった。


だけど、そんな状況とは裏腹にドラマは大反響で、番組の宣伝で観る善くんと沙綾ちゃんはまるで恋人のように見えて、SNSでも《ほんとに二人が付き合えばいいのに》なんてコメントもたくさん見かける。

その度にわたしの心の中に黒いモヤモヤがふつふつと湧き上がって支配する。

彼女はわたしなのにな……。


「いま、善くん何してるのかな」


なんて、思いながら中庭をふらふらと歩いているとピコン、と電子音がしてメッセージを確認すると、善くんから【ごめん。今日少しだけでいいから話がしたい。会える?】とだけ送られてきていた。

急にこんなメッセージ、なんの話しをされるんだろう……?