パーフェクトな君の弱点。



「いやー、その……」

「あたし見ちゃったんだよね。二人が校舎裏で抱き合ってるの」

「え……」


必死に誤魔化そうと言葉を考えていたけど、彼女の口から決定的な事実が出てきて、結局何も言えずに押し黙る。


み、見られてたなんて……。


あそこは普段誰も通らない、ましてや体育祭で盛り上がっている最中だったから完全に油断してた。

迂闊だった……。


「撮影の挨拶行った時もあの体育祭の日も、善があたしのことなんて目もくれずに一目散にあなたのところに走っていくからもしかしてとは思ってたけど」

「……」


確かにどちらも近くに沙綾ちゃんはいて、善くんのことが好きならその異変に気づいてもおかしくはない。


「あたしの方が先に彼を好きになった。彼は中学の時に芸能界に入ることをバカにされてたあたしを『人の夢をバカにするな』って言ってくれたの。嬉しくてそれだけで救われた気になった。あの日からあたしの中で善は特別なの」