パーフェクトな君の弱点。




「芸能科の人も大変だよね~。朝とか放課後とかも一般科の生徒だけじゃなくて他校の生徒まで見に来るんだから」

「そうなの?」

「らしいよ。朝は見たでしょ?色んな女の子が見に来てたの。聞くところによれば、放課後もあんな感じなんだって」


朝も放課後もあんなに騒がれてしまっては大変だ。

漆葉くんがプライベートで完全防備で外に出ている意味も頷ける。


「学校まであんなに騒がれたら休む場所ないよね」

「ほんとだよねー、芸能科の子たちを尊敬するよ。わたしなら耐えられない」

「わたしもあれには耐えられないかも……」


いや、わたしは一ミリも芸能界に入りたいなんて思ってもないし、入れるわけもないんだけど、もし入ったとしても四六時中誰かに見られているかもしれないっていう気持ちが消えなくて耐えられないだろうな。