パーフェクトな君の弱点。



「ぐす……っ、まだ好きなのに……っ。うっ……諦めちゃダメだよ……」


感情移入しているのか俺の前でポロポロと泣いている。

そばにあったティッシュの箱をそっと渡してあげると「ありがとう、翼くん」と泣きながら数枚引っ張って、涙を拭く。


「俺、翼じゃねえんだけど」

「あ、ごめん。ついつい」


確かに画面の中に映っているのは翼としての俺だけど、今柚音ちゃんと一緒にいるのは漆葉善なんですけど。

心が狭いとわかっていても嫉妬してしまう。

柚音ちゃんと付き合ってから知ったことは俺は思っていた以上に嫉妬深いということ。

まだ、真剣に映画を観ている柚音ちゃんの邪魔はできずに俺も黙って映画を観る。


一年前のことなのにすげー若く感じるな。

ヒロインを演じた女の子は今注目の若手女優に成長してるんだっけ。